読者が形式を決める
クライアント
Aviatel(アルゼンチン・自動ドア製造)/ Trim株式会社(mamaro)/ 株式会社インユー(Minery)
担当範囲: コンセプト/グラフィックデザイン/3Dモデリング・レンダリング/印刷工程管理
1. 課題
同じ依頼内容の印刷物が3点ある。紙の上で製品を説明すること。読者は三者三様で、読まれる状況もそれぞれ異なる。形式そのものが、最初の判断だった。
2. ユーザー
| Aviatel NUX | mamaro | Minery Bath Time | |
|---|---|---|---|
| 読者 | 設置業者・技術者 | 乳児連れの母親、商業施設にて | 都市部の女性、ウェルネス層 |
| 状況 | 現場で、製品を手に持ちながら | 移動の途中、行き先を探している | 急がずに選んでいる |
| 時間 | 必要なだけ | 数秒 | 好きなだけ |
| 必要なもの | 曖昧さのない、正確な数値 | 今どこにあるか | 信頼と欲求 |
| 形式 | 冊子型の取扱説明書 | 両面フライヤー | 三つ折りリーフレット |
3. 判断
Aviatel NUX / 取扱説明書
読者は製品を手に持ち、必要なだけ時間をかけられる。情報の種類ごとに3つの表現方法を使い分けた。 仕様は表、チャンネル設定は図、手順は3Dレンダリング。レンダリングは自作である —— 製品そのものを設計したのと同じ人間がつくっている。指示の記法はひとつに統一した。すべての動きをオレンジの矢印で示す規則を、このブランドの60点以上の技術資料全体で貫いている。警告は囲みで独立させ、本文は高密度、情緒的な要素はゼロ。

mamaro / 案内フライヤー
商業施設を移動中の母親が、数秒で読む。地図が内面全体を占める。「here!」のマーカーと、極端に大きく組んだフロア数字。地図は設置店舗ごとに差し替えている。想定される3つの懸念を、それぞれ3語で解消した:完全個室・アプリと連携・パパも可。写真は空の個室ではなく、子どもと一緒に使っている場面を見せている。ビジュアル言語はノートとマスキングテープ —— 商業施設のサイン計画の中で、あえて事務的ではなく家庭的に。

Minery Bath Time / 三つ折りリーフレット
急がずに選んでいる買い手。製品は白い粉末であり、売っているのは素材と雰囲気だ。そのため写真が論拠を支える。ほとんど余白だけの表紙が、価格帯を示している。見出しは英語の手書き書体、本文は日本語 —— オーガニック × ファッションという同じ交点を、紙の上に持ち込んでいる。読む順序は固定した:何であるか、何が入っているか、いつ使うか、どう使うか。プロデューサーが実名で署名し、QRコードから動画へつながる。

考え方
読む人が違えば、同じ説明でも別のものになる。 If the reader changes, the same explanation becomes something else.